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決算理事会・定時評議員会の準備

社会福祉法人においては、決算終了後、事業報告や計算書類などの承認等を得るために理事会及び定時評議員会を開催する必要があります。

今回は決算理事会と定時評議員会の準備と実施にあたってのスケジュールや必要な作業、注意点などについてご説明します。

1.決算理事会・定時評議員会等のスケジュール

理事会や評議員会の開催にあたり、議案書やその添付資料の作成など必要な作業が多々あります。
特に評議員や役員の改選がある場合は準備する資料などがかなり多くなりますので、スケジュールをしっかり立てて準備を行うことが肝心です。

理事会や評議員会の時期はおおよそ法人様で決まっていることが多いため、必要な作業をリスト化した上で開催予定日から逆算しスケジュールしておくとよいかと思います。

作業内容のリスト化とスケジュールの例

※赤文字の箇所は評議員・役員等の改選がある場合に必要な内容

日付・期限 作業内容 備考
5月17日(火) 計算書類等作成  
  事業報告等作成  
  監事監査依頼  
  社会福祉充実残額算定  
5月18日(水) 社会福祉充実計画原案作成 充実残額がある場合のみ
  社会福祉充実計画原案の公認会計士等からの意見聴取 理事会までに報告書受領
5月19日(木) 理事会議案書作成  
  次期評議員推薦案作成 履歴書、就任内諾
  次期評議員選任・解任委員選任案作成 履歴書、就任内諾
  次期役員候補者選任案作成 履歴書、就任内諾
  職務執行状況報告書作成  
  理事会招集通知書作成  
  定時評議員会招集通知書作成  
  評議員選任・解任委員会招集通知書作成  
5月24日(火) 手続実施結果報告書受領 公認会計士等からの意見聴取
  監事監査報告書受領 決算資料等提出後、最長4週以内
  理事会招集通知発出 開催日から中7日間必要
5月27日(金) 理事会議事録下書き作成  
5月31日(火) 理事会開催 決議事項等
・事業報告等承認
・計算書類等承認
・社会福祉充実計画承認
・定時評議員会招集
・次期評議員推薦
・評議員選任・解任委員選任
・評議員選任・解任委員会招集
・次期役員の選任案
・職務執行状況報告
  理事会議事録作成 議事録署名人の記名押印
  理事会議事録の備え置き 主たる事務所に10年間
  決算資料等の備え置き
・計算書類等
・事業報告等
・監査報告書
定時評議員会の日の2週間前から主たる事務所に5年間、従たる事務所に3年間
6月1日(水) 定時評議員会招集通知発出 開催日から中7日間必要
  評議員選任・解任委員会就任承諾書徴収  
  評議員選任・解任委員会招集通知発出  
6月16日(木) 評議員会議事録下書き作成  
  評議員選任・解任委員会議事録下書き作成  
  理事会議事録下書き作成 次期理事長選任分
6月20日(月) 定時評議員会開催 決算資料等の備え置き日から中14日間必要

決議事項等
・事業報告等承認
・計算書類等承認
・社会福祉充実計画承認
・次期役員選任
  役員就任承諾書徴収  
  理事会招集 ※招集手続省略 招集手続省略に関する同意書
  理事会開催 決議事項等
・次期理事長選任
  理事会議事録作成 次期理事長選任分
  理事会議事録の備え置き 主たる事務所に10年間
  評議員選任・解任委員会開催 決議事項等
・次期評議員選任
  評議員選任・解任委員会議事録作成  
  評議員選任・解任委員会議事録の備え置き 主たる事務所に10年間、従たる事務所に5年間
  評議員就任承諾書徴収  
  評議員会議事録作成  
  評議員会議事録の備え置き 主たる事務所に10年間、従たる事務所に5年間
6月21日(火) 社会福祉充実計画の承認申請 所管の行政宛
6月29日(水) 理事長変更登記 変更・再任 2週間以内 
  理事長変更届出 変更の場合のみ
6月30日(木) 資産の総額変更登記 6月末まで
  財務諸表等開示システム届出 6月末まで

Excelなどで理事会開催日から日付を逆算できるようにしておくと管理がしやすいかと思います。

決算理事会・定時評議員会のスケジュール
決算理事会・定時評議員会のスケジュール

●00_決算理事会等スケジュール.xlsx   記事の最後のリンクよりダウンロード申込ができます。

2.計算書類等の作成及び監事監査

スケジュール作成後、日付・期限に沿って必要な資料などを作成しましょう。

計算書類等の作成

まずは決算作業終了後、計算書類等と事業報告等の作成を行います。
監事監査や理事会、評議員会で使用しますのでわかりやすいようにまとめておきます。

計算書類等

会計システムなどで計算書類等を作成します。
計算書類等としては以下の書類が該当します。

  • 計算書類
  • 注記
  • 附属明細書
  • 財産目録

▶「社会福祉法人会計の計算書類と注記」の記事はこちら

▶「社会福祉法人会計の附属明細書と財産目録」の記事はこちら

計算書類等の例

計算書類等
計算書類等

事業報告等

事業計画書に基づき実施した内容を事業報告書としてまとめます。
添付すべき附属明細書などもあればあわせて作成します。

なお、事業計画書に記載すべき内容は以下のようなものが考えられます。

  • 基本方針
  • 重点実施項目
  • 実施する事業とその実施体制など
    • 予定利用人数
    • 職員体制
    • 行事計画
  • 施設・設備整備

▶保育園・こども園向けの当初予算・事業計画書の作成方法はこちら

事業報告書の例

事業報告書
事業報告書

監事監査

計算書類等と事業報告等の理事会での承認にあたり、事前に監事監査を受ける必要があります。
なお、ここでの説明は会計監査人非設置法人の場合のみ記載しています。

監査依頼

計算書類等と事業報告等を作成後、監事に監査を依頼します。
理事会までには監事監査報告書を受領しておく必要があるため、なるべく早めに監査依頼を行うのが適当かと思います。

監査報告書の受領

監査依頼後の監事監査に記載する内容の通知については、最長でも計算書類等や事業報告等の全部を受領した日から4週間を経過した日までに行う必要があります。

計算書類等に係る監査報告等の内容について

  1. 監査の方法及びその内容
  2. 計算関係書類が当該法人の財産、収支及び純資産の増減の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見
  3. 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由
  4. 追記情報
    • 会計方針の変更
    • 重要な偶発事象
    • 重要な後発事象のうち、監事の判断に関して説明を付す必要がある事項又は計算関係書類の内容のうち強調する必要がある事項
  5. 監査報告を作成した日

事業報告等に係る監査報告等の内容について

  1. 監査の方法及びその内容
  2. 事業報告等が法令又は定款に従い当該社会福祉法人の状況を正しく示しているかどうかについての意見
  3. 当該法人の理事の職務の遂行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったときは、その事実
  4. 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由
  5. 監査に関連する内部管理体制に関する決定又は決議がある場合に、当該事項の内容が相当でないと認めるときは、その旨及びその理由
  6. 監査報告を作成した日

監事監査報告書の例

計算書類等に係る監査報告と事業報告等に係る監査報告はまとめて1つの監査報告書として作成されるのが一般的かと思います。

監事監査報告書
監事監査報告書

3.社会福祉充実残額算定

社会福祉充実残額算定

計算書類等を作成後、社会福祉充実残額の算定を行います。

社会福祉充実計画策定の手続

社会福祉充実計画策定の手続及び流れは以下の通りです。

社会福祉充実計画策定の手続
社会福祉充実計画策定の手続

算定方法

社会福祉充実残額の算定には財務諸表等入力シートを使用します。
シートは毎年4/1に公開されるため、事前に算定を行う場合には別途公開されている充実残額算定シートを使用します。

算定の結果、社会福祉充実残額がない場合、財務諸表等入力シートでの届出で作業完了となります。

引用元サイト・資料

厚生労働省 社会福祉充実計画
社会福祉充実計画関係>Excel:社会福祉充実残額算定シート

社会福祉充実計画

算定の結果、社会福祉充実残額がある場合、社会福祉充実計画の作成が必要となります。

社会福祉充実計画原案の作成

まずは社会福祉充実計画原案を作成します。
実施期間は最大で5ヶ年度が基本となります。

なお、ここでの説明は地域公益事業は行わない場合で記載しています。

社会福祉充実計画
社会福祉充実計画

引用元サイト・資料

厚生労働省 社会福祉充実計画
社会福祉充実計画関係>Word:別紙1

公認会計士、税理士等からの意見聴取

社会福祉充実計画原案を作成後、公認会計士、税理士等からの意見聴取を行います。
また、理事会までに手続実施結果報告書の提出を依頼します。

依頼の際、社会福祉充実計画原案と合わせて社会福祉充実残額算定シートや計算書類等、依頼先が必要とされる書類を提示します。

手続実施結果報告書
手続実施結果報告書

引用元サイト・資料

厚生労働省 社会福祉充実計画
社会福祉充実計画関係>Word:別紙2

社会福祉充実計画の承認

評議員会の承認

社会福祉充実計画は評議員会の承認が必要となります。
社会福祉充実残額がある場合には、評議員会での議案に入れておきます。

所轄庁の承認

社会福祉充実計画は所轄庁の承認が必要となります。
所定の方法で承認申請を行い、承認を得ます。

また、財務諸表等開示システムでの公表も必要なため、所轄庁での審査後、修正指示があった場合は公表している計画も差し替えが必要となりますのでご注意ください。

社会福祉充実計画承認申請書
社会福祉充実計画承認申請書

引用元サイト・資料

厚生労働省 社会福祉充実計画
社会福祉充実計画関係>Word:別紙4~7

4.議案書等の作成

計算書類等の作成及び社会福祉充実残額の算定等が終わった後は、理事会、定時評議員会の議案書や添付資料を作成しましょう。

本記事では評議員、評議員選任・解任委員、役員の改選がある場合を例にしてご説明します。

理事会議案と添付資料の作成

決算理事会の際、定期的に議案となるものを挙げています。

事業報告等及び計算書類等

本記事の「計算書類等の作成」をご参照ください。
監事の監査報告書も添付しておきます。

社会福祉充実計画

本記事の「3.社会福祉充実残額算定 > 社会福祉充実計画」をご参照ください。

定時評議員会招集

定時評議員会は理事会の決議による招集が必要です。
理事会の決議により定められなければならない事項は以下の通りです。議案書にあらかじめ招集案として記載しておくとよいかと思います。

  1. 評議員会の日時及び場所
  2. 評議員会の目的である事項がある場合は当該事項
  3. 評議員会の目的である事項に係る議案の概要(議案が確定していない場合はその旨)

次期評議員推薦案

評議員の任期満了に伴う改選がある場合は、理事会にて次期評議員の推薦を決議し、評議員選任・解任委員会で次期評議員の選任を行います。

事前の準備

次期評議員推薦案の作成にあたり、事前に次期評議員候補者から以下を徴収するようにします。

  • 履歴書
  • 就任内諾

適格性の確認

次期評議員候補者については、履歴書等で適格性について確認を行います。

  1. 欠格事由がないこと
    1. 法人
    2. 精神の機能の障害により職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
    3. 生活保護法等法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
    4. 3のほか、禁固以上の刑に処せられた等の者
    5. 所轄庁の解散命令により解散を命ぜられた法人の解散当時の役員
    6. 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  2. 法人の役員又は職員を兼ねていないこと
  3. 法人の各評議員、役員と特殊の関係にないこと
    1. 配偶者
    2. 三親等以内の親族
    3. 厚生労働省令で定める者
      1. 当該評議員又は役員と事実婚、使用人、被生計維持の関係にある者及びその配偶者
      2. 当該社会福祉法人の役員が役員となっている他の同一の団体の役員又は職員(同一の団体の役員等が当該社会福祉法人の評議員数の3分の1を超える場合に限る)
      3. 支配している他の社会福祉法人の役員又は職員(支配=当該社会福祉法人の役員又は評議員で評議員総数の過半数を占めている場合に限る)
      4. 国の機関、地方公共団体等の職員(同一の団体の役員等が当該社会福祉法人の評議員数の3分の1を超える場合に限る)
  4. 暴力団員等の反社会的勢力の者でないこと

評議員の任期

評議員の任期は、原則として、選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとされています。

なお、定款で「4年」を「6年」まで伸長することは可能となっています。

次期評議員推薦案の例

次期評議員推薦案
次期評議員推薦案

評議員選任・解任委員選任

評議員選任・解任委員の任期満了に伴う改選がある場合は、理事会にて次期評議員選任・解任委員の選任を行います。

事前の準備

次期評議員選任・解任委員の選任にあたり、事前に次期評議員選任・解任委員候補者から以下を徴収するようにします。

  • 履歴書
  • 就任内諾

適格性の確認

評議員選任・解任委員の人数については最低3名以上が適当とされており、かつ合議体の機関であることから以下より1名以上ずつ選任されるのが適当かと思います。

  • 監事
  • 事務局員
  • 外部委員(必須)

また、必須ではありませんが、評議員候補者と同様、履歴書で欠格事由、特殊の関係について確認を行うのが適当かと思います。

評議員選任・解任委員会招集

評議員選任・解任委員会は理事会の決議による招集が必要です。
議案は次期評議員の選任のみとなるかと思いますので、開催日時及び場所を議案書にあらかじめ招集案として記載しておくとよいかと思います。

なお、評議員選任・解任委員会の開催日は以下のいずれかが望ましいかと思います。

  • 評議員の任期満了を迎える年度の定時評議員会の開催日の前日まで
    • 前年度(3月31日まで)に開催すると、任期が1年短くなるため
  • 定時評議員会と同日
    • 定時評議員会の開催日の翌日以降だと評議員が選任されていない期間が発生するため

次期役員選任案

役員(理事・監事)の任期満了に伴う改選がある場合は、理事会にて次期役員選任案を決議し、評議員会で次期役員の選任を行います。改選がある場合は、理事長の不在期間をなくすため、定時評議員会後に理事会を同日開催して新理事長を選定するのが望ましいかと思います。

あらかじめ、次期役員候補者に定時評議員会と理事会の同日開催予定をお伝えし、参加を依頼しておくのがよいかと思います。また、理事会の招集手続省略に関する同意書を準備しておくのがよいかと思います。

事前の準備

次期役員選任案の作成にあたり、事前に次期役員候補者から以下を徴収するようにします。

  • 履歴書
  • 就任内諾

適格性の確認

次期役員候補者については、履歴書等で適格性について確認を行います。
適格性については以下の通りとなります。それぞれの適格性を有する者が最低1名は含まれている必要があります。

  • 理事の場合
    • 社会福祉事業の経営に関する識見を有する者
    • 事業区域における福祉に関する実情に通じている者
    • 施設の管理者
      • 複数の施設を設置している場合は、複数の管理者のうち1名以上で足りる
  • 監事の場合
    • 社会福祉事業について識見を有する者
    • 財務管理について識見を有する者

欠格事由等については評議員の場合と同様です。

役員の任期

役員(理事・監事)の任期は、原則として、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとされています。

なお、定款で「2年」を短縮することは可能となっています。

職務執行状況報告書

前回理事会開催から現在までの理事長の職務執行状況を報告する必要がありますので、職務執行状況報告書のほか、必要に応じて補足資料を作成します。
詳細については以下の記事をご参照ください。

▶「職務執行状況報告書」の記事はこちら

その他の決議事項等

ここまで年度末理事会の際に定期的に議案となるものを挙げてきましたが、他にも理事会で決議が必要な事項がある場合は議案に組み入れ、必要な資料を作成しましょう。
詳細については以下の記事をご参照ください。

▶「その他の決議事項」の記事はこちら

定時評議員会議案と添付資料の作成

定時評議員会の際、定期的に議案となるものを挙げています。

事業報告等及び計算書類等

理事会で承認を受けた事業報告等及び計算書類等を添付します。
事業報告については、定款で定めた場合を除き承認は不要ですが、理事による報告が必要となります。本記事では承認が必要な場合として記載しています。計算書類及び財産目録については承認が必要となります。

社会福祉充実計画

理事会で承認を受けた社会福祉充実計画を添付します。社会福祉充実計画は評議員会での承認が必要となります。

次期役員の選任

理事会にて決議された次期役員選任案を添付します。役員は評議員会で選任される必要があります。

議案書のまとめ

議案とその添付資料を作成した後は、表紙や見出しを付けて議案書としてまとめましょう。
ご説明した資料は記事の最後でダウンロード申込ができます。

理事会議案書

01_理事会議案書表紙等.docx
● 02_事業報告書.xlsx
● 03_計算書類等.pdf
● 04_監事監査報告書.docx
● 05_社会福祉充実計画.docx
● 06_社会福祉充実計画手続実施結果報告書.docx
● 07_社会福祉充実計画承認申請書.docx

● 08_次期評議員推薦案.docx
● 09_履歴書.docx
● 10_次期評議員選任・解任委員選任案.docx
● 11_次期役員選任案.docx
● 12_職務執行状況報告書.docx
● 13_理事会議案書例.pdf

評議員会議案書

14_定時評議員会議案書表紙等.docx
● 15_定時評議員会議案書例.pdf

理事会議案書
理事会議案書

5.理事会に関する注意点

理事会の議案書や添付資料の作成後は以下の流れで理事会の開催等を行います。

理事会関連の流れ

  1. 理事会招集通知発出
  2. 理事会議事録下書き作成
  3. 理事会開催
  4. 理事会議事録作成
  5. 理事会議事録の備え置き
  6. 決算資料等の備え置き

上記1~5の詳細については以下の記事をご参照ください。

▶「理事会開催時の注意点」の記事はこちら

決算資料等の備え置き

理事会で計算書類等の承認を得た後、以下の書類の備え置きが必要となります。
定時評議員会の開催は、書類を備え置いた日から中14日間必要となりますのでご注意ください。

  • 計算書類等
  • 事業報告等
  • 監事監査報告書

理事会関連の資料は記事の最後でダウンロード申込ができます。

16_理事会招集通知書.docx
● 17_理事会議事録.docx

6.定時評議員会に関する注意点

決算理事会で計算書類等の承認を受けた後は、以下の流れで定時評議員会の開催等を行います。

なお、定時評議員会の開催は、承認を受けた計算書類等を備え置いた日(=理事会開催日)から中14日間必要となりますのでご注意ください。

定時評議員会関連の流れ

  1. 定時評議員会招集通知発出
  2. 定時評議員会開催
  3. 定時評議員会議事録作成
  4. 定時評議員会議事録の備え置き

定時評議員会招集通知

決算理事会終了後、定時評議員会招集通知書を作成します。
一般的には定時評議員会の招集は理事長が行うケースが多いかと思います。

定時評議員会招集通知書に議案書を添付し、評議員の全員に発出します。発出には郵送等のほか、電子メールでの招集も可能なため招集通知書等をファイル添付して送信されるのもよいかと思います。評議員会の場合には、電子メールで送信する場合は評議員の承諾が必要となります。

招集において、招集通知書への議案の記載や、議案書の添付などは必須ではありませんが、評議員会当日の審議をスムーズに進めるためにも招集の時点で記載、添付しておくのが望ましいかと思います。

また、招集通知書の発出日から開催日までは中7日間(定款の定めによる)の期間を設ける必要があると同時に、承認を受けた計算書類等を備え置いた日(=理事会開催日)から中14日間の期間を設ける必要があります。

定時評議員会招集通知の省略

評議員会は招集通知を省略して開催することも可能です。
ただし、定時評議員会は緊急的なものではないかと思いますので、省略せずに招集通知をすることが一般的かと思います。

招集通知を省略して理事会を開催する場合には、評議員全員の同意が必要となります。
同意書を取る、又は評議員会の議事録に当該同意があった旨を記載する等、同意の証拠を書面で保存するようにしましょう。

ご説明した資料は記事の最後でダウンロード申込ができます。

18_定時評議員会招集通知書.docx
● 19_評議員会招集手続省略に関する同意書.docx

定時評議員会開催

議事の進行

評議員会の当日は、議案書に基づき議事を進行していきます。
議長を選定し、以下の内容を確認した上で議事を進行し、各議案の決議を行っていきましょう。

  • 決議事項に特別の利害関係を有する評議員がいないか
  • 議決に加わることができる評議員の過半数が出席しているか
    • 定款で過半数を超える割合を定めた場合はその割合

また、理事長は議案の説明を行う者として、監事の1名以上は必要に応じて意見を述べる者として出席する必要があります。

決議には出席した評議員の過半数の賛成が必要となります。ただし、特別決議(監事の解任、定款変更等)の場合は3分の2以上の賛成が必要となります。なお、参加していない評議員の書面による議決権の行使はできません。

定時評議員会議事録の作成

審議とあわせて議事の経過の要領及びその結果を議事録に残していきます。通常は理事長が出席するケースが多いかと思いますので、評議員会前にあらかじめ議事録の下書きを作成しておくと議事の進行と議事録の記載がスムーズに進むかと思います。

議事録に記載が必要な内容は以下の通りです。

  1. 評議員会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない評議員、理事、監事又は会計監査人が評議員会に出席した場合における当該出席の方法(例:テレビ会議)を含む。)
  2. 評議員会の議事の経過の要領及びその結果
  3. 決議を要する事項について特別の利害関係を有する評議員があるときは、当該評議員の氏名
  4. 法の規定に基づき評議員会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
  5. 評議員会に出席した評議員、理事、監事又は会計監査人の氏名又は名称
  6. 議長の氏名(議長が存する場合)
  7. 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名

また、議事録には定款で定めた議事録署名人の署名又は記名押印が必要となります。議事録署名人の署名又は記名押印の例は以下の通りです。

  • 出席した評議員及び理事
  • 議長及び出席した評議員2名
    • 署名=自筆による氏名 / 記名押印=自筆以外の氏名及び押印
定時評議員会議事録
定時評議員会議事録

決議及び報告の省略

決議及び報告を省略できる条件

理事会で決議及び報告の省略を決議した上で提案書を発出し、評議員全員の同意の意思表示がある場合は、評議員会の決議を省略することが認められています。

なお、同意や異議がないことの意思表示は書面又は電磁的記録により行う必要があります。評議員全員の同意書等を取る等、同意の証拠を書面で保存するようにしましょう。

定時評議員会の決議事項等の省略に関する提案書・同意書
定時評議員会の決議事項等の省略に関する提案書・同意書

決議及び報告を省略した場合の議事録

決議及び報告を省略し、評議員会を開催しなかった場合でも議事録の作成が必要です。
議事録に記載が必要な内容は以下のとおりです。

  1. 決議を省略した事項の内容
  2. 決議を省略した事項の提案をした者の氏名
  3. 評議員会の議があったものとみなされた日
  4. 議事録の作成に係る職務を行った者の氏名

議事録には議事録作成者の署名又は記名押印が必要となります。通常は理事長が議事録作成者となります。

定時評議員会議事録 決議事項等省略用
定時評議員会議事録 決議事項等省略用

評議員会議事録の備え置き

議事録は、定時評議員会の日から主たる事務所に10年間、従たる事務所に5年間書面又は電磁的記録を備え置く必要があります。
また、理事会の決議を省略した場合には、評議員の全員の同意書等も議事録と同様に備え置きが必要です。

ご説明した資料は記事の最後でダウンロード申込ができます。

20_定時評議員会議事録.docx
● 21_定時評議員会の決議事項等の省略に関する提案書.docx
● 22_定時評議員会決議に関する同意書.docx
● 23_定時評議員会議事録_決議省略用.docx

役員の改選がある場合

役員の改選により、定時評議員会で役員の選任が行われた場合は、役員就任承諾書の徴収とあわせ、新役員による理事会を開催し、理事長を選任する必要があります。

役員就任承諾書の徴収

新役員から就任承諾書を徴収します。

理事会の開催

新役員による理事会を開催し、理事長を選任します。

理事長不在の期間をなくすため、理事会の招集手続の省略を行い、定時評議員会終了後に理事会を開催します。開催にあたり、役員の全員から理事会の招集手続省略に関する同意書を徴収しておきます。その他詳細は本記事の「5.理事会に関する注意点」をご参照ください。

ご説明した資料は記事の最後でダウンロード申込ができます。

24_理事会招集手続省略に関する同意書.docx
● 25_理事会議事録_招集手続省略.docx
● 26_就任承諾書兼誓約書.docx

7.評議員選任・解任委員会に関する注意点

評議員の改選がある場合は、定時評議員会前か定時評議員会と同日に評議員選任・解任委員会を開催し、次期評議員を選任する必要があります。本記事では定時評議員会後に評議員選任・解任委員会を同日開催し、次期評議員を選任する場合として記載しています。

定時評議員会で役員の選任が行われた場合は、役員就任承諾書の徴収とあわせ、新役員による理事会を開催し、理事長を選任する必要があります。

評議員選任・解任委員の任期

評議員選任・解任委員に特段の定めはありませんが、任期を設けるのが適当とされています。
最長の任期期間の定めはないため、評議員の任期に合わせておくなどの方法が考えられます。
理事会で次期評議員選任・解任委員を選任した後は、就任承諾書等を徴収します。

評議員選任・解任委員会関連の流れ

  1. 評議員選任・解任委員会招集通知発出
  2. 評議員選任・解任委員会議事録下書き作成
  3. 評議員選任・解任委員会開催
  4. 評議員選任・解任委員会議事録作成
  5. 評議員選任・解任委員会議事録の備え置き

招集通知発出

評議員選任・解任委員会の招集については特段の定めはありませんが、理事会等と同様に招集通知を発出して行うのが適当かと思います。定時評議員会と同日開催する場合は、決算理事会終了後に招集するのが適当かと思います。

評議員選任・解任委員会開催

評議員選任・解任委員会の当日は、議案書に基づき議事を進行していきます。
通常、議案は次期評議員の選任のみのため、理事会で決議された次期評議員推薦案に基づき各評議員候補者について選任の是非を決議します。次期評議員推薦案については理事長から説明を行うのが一般的かと思います。

評議員選任・解任委員会議事録作成

審議とあわせて議事の経過の要領及びその結果を議事録に残していきます。
開催前にあらかじめ議事録の下書きを作成しておくと議事の進行と議事録の記載がスムーズに進むかと思います。

議事録に記載が必要な内容に特段の定めはありませんが、理事会議事録に準じた記録を作成しておくのが望ましいかと思います。

▶「理事会議事録の作成」の記事はこちら

また、議事録には出席委員又は委員長の署名又は記名押印があることが適当とされています。評議員選任・解任委員会の議事録については、評議員会や理事会の議事録と同様に10年間保存しておくことが適当とされています。

評議員選任・解任委員会関連の資料は記事の最後でダウンロード申込ができます。

評議員就任承諾書の徴収

評議員選任・解任委員会で選任された評議員から就任承諾書を徴収します。
ご説明した資料は記事の最後でダウンロード申込ができます。


27_評議員選任・解任委員会招集通知書.docx
● 28_評議員選任・解任委員会議事録.docx

8.定時評議員会終了後の注意点

定時評議員会終了後、必要に応じて以下の申請や届出などが必要となります。

  • 社会福祉充実計画の承認申請
  • 理事長変更登記
  • 理事長変更届出
  • 資産の総額変更登記
  • 財務諸表等開示システム届出

社会福祉充実計画の承認申請

社会福祉充実計画がある場合、評議員会での承認後に所轄庁への承認申請が必要となります。
詳細は本記事の「3.社会福祉充実残額算定」をご参照ください。

理事長変更登記

役員の改選に伴い、理事長が選任された場合は、変更・再任にかかわらず2週間以内に理事長変更登記が必要となります。

登記には以下の書類が必要となります。

  • 評議員会議事録
  • 理事会議事録
  • 就任承諾書
  • 定款

理事長変更届出

理事長が変更になった場合は、理事長変更登記後に各所への届出が必要となります。

  • 認可関係・・・認可を受けた市町村などの所轄庁
  • 国税、地方税関係・・・税務署、市町村
  • 社会保険関係・・・年金事務所又は社会保険事務センター
  • 金融機関関係・・・銀行等

資産の総額変更登記

定時評議員会で承認を受けた計算書類等を元に6月末までに資産の総額変更登記が必要となります。

登記には以下の書類が必要となります。

  • 監事監査報告書
  • 貸借対照表
  • 財産目録

財務諸表等開示システム届出

定時評議員会で承認を受けた計算書類等を元に6月末までに財務諸表等開示システムでの届出が必要となります。

届出には以下の書類が必要となります。

  • 財務諸表等入力シート
    • 現況報告書
    • 計算書類、財産目録
  • 附属明細書等
    • 附属明細書
    • 監事監査報告書
    • 事業計画書
    • 事業報告書
    • 役員名簿(届出用)
  • 注記
  • 社会福祉充実計画
  • 定款
  • 役員名簿(公表用)
  • 報酬等の支給の基準

9.資料ダウンロード

以上、社会福祉法人における決算理事会と定時評議員会の準備と実施の際に押さえておくべきポイントをチェックしてきました。
この記事でご紹介した議案書例などのファイルは、以下のバナーからお申込みいただければ無料でダウンロードできます。ぜひ編集してご活用いただければ幸いです。

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